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「植物は〈知性〉をもっている 20の感覚で思考する生命システム」

植物は〈知性〉をもっている 20の感覚で思考する生命システム
ステファノ・マンクーゾ+アレッサンドラ・ヴィオラ 
マイケル・ポーラン 序文 久保耕司 訳
NHK出版 2015

植物はものを考えることができるのか。脳がなくても、「知性」をもっているといえるのか。

この本の序文で、マイケル・ポーランは「知性」について、
“「生きているあいだに生じるさまざなま問題を解決する能力」と定義すれば、植物にその能力がないと考えること自体に無理がある”(p.10)
と述べている。

虫に襲われると、化学物質を放出して周りの仲間に危険を知らせるトマト。
自分につく寄生虫の天敵を誘引する物質を作る、トウモロコシ。
細菌と共生し、お互いに必要な栄養分を交換し合うマメ科植物。

地球上の生物のうち、なんと99.7%を植物が占めているそうだ。動物と人間を合わせても残りの0.3%にしか満たない。


動くことのできない植物がここまで繁栄を極めているのは、移動せずにどうやって身を守るのか、種を存続させて行くのか、したたかで柔軟な生存戦略を何億年も展開させて来たからなのだろう。

そこで発揮される知性は、脳を持つわたしたち人間や動物たちのものとはちがう形をもっている。

植物が発するいくつかの記号(におい)にメッセージがあることはすでに知られている。けれども、現在までにわかっているメッセージの数は、植物が発している揮発性化合物の種類を考えれば、ごくわずかだ。その上、メッセージはいつも単一の分子だけに結びついているわけはなく、多くの種類の分子の混合物と結びついていることもある。そのため、解読作業はますますむずかしくなっていく。つまり、それぞれの分子が、決まった割合でほかの分子と混ざりあい、独特のメッセージを作り上げているのだ。もしかすると植物の言語には、ポリフォニー音楽のようなものがあるのかもしれない。だとすると、植物には個を超えた性質がそなわっているといえるだろう。つまり植物の言葉は、一つの声ではなく複数の声なのだ。そう考えると、植物がますます興味をそそる魅力的なものに見えてこないだろうか?

植物は<知性>をもっている 20の感覚で思考する生命システム」p.81 ステファノ・マンクーゾ+アレッサンドラ・ヴィオラ マイケル・ポーラン 序文 久保耕司 訳

土壌は、一般的に想像されるような生命のかけらもないただの土くれではない。そこは無数の生物が所狭しと棲みついている濃密な世界なのだ。その世界では、微生物、細菌、菌類(キノコやカビなど)、昆虫が植物とコミュニケーションをとり、互いに協力しながら、独特の生物学的ニッチを作り上げ、うまく共生している。

植物は<知性>をもっている 20の感覚で思考する生命システム」p.130
参考リンク

「植物は〈知性〉をもっている」書評 石炭も薬も、人類を育んだ歴史
松岡正剛の千夜千冊 1613夜 植物は〈知性〉をもっている
植物は最初どうやって地球に現れたの – Gakkenキッズネット


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