ソフィア・ファーム・コミュニティでの1週間
#00 はじめてのひこうき
#01 バイオダイナミック農法とは?
#02 牛という神聖な動物
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大きな動物が好きだ。
キリン、カバ、象、馬、ライオンやトラ。
こんなに大きな動物がこの世にいるんだ!という感動と、畏怖の念を思い起こさせてくれる。
とりわけ好きなのが、牛。
一番身近だからだろうか、わたしが牡牛座だからだろうか。
運転中に、牛が放牧されているのを見つけると、車を停めて見入ってしまう。
尻尾をパタパタとさせながら、青草を食んだり、木陰で集まって休んでいるあの中に、一緒に入りたいと思う。
今回のソフィア・ファームの滞在で、牛たちに会えるのを楽しみにしていた。

ソフィア・ファームでは現在、大人の牝牛が五頭、雄の子牛が一頭、傾斜のある青々とした草原に放牧されていた。牛たちが移動できる敷地はかなり広く、みんなのびのびとしている。
Biodynamic Associationの「原則と実践」のページには、
”バイオダイナミックファーマーは、家畜の本来の健康と、彼ら自身の完全な表現をサポートする方法で家畜の世話をしています。”
とある。
”the full expression of their nature.”という言葉、すごくいいなー、人間にも必要だなと思う。
バイオダイナミック農法のすべての動物は、自由に動き回るのに十分なスペースを保つともに、自由に屋外に行け、飼料も自由に食べることができる。
また、”動物の各部分は重要な自然の機能を果たしているので、鶏はくちばしを、牛は角を保ったままです。” ともあるように、人の都合によって身体の一部を失うことなく、ありのままの姿で生きていけるのだ。

ソフィア・ファーム・コミュニティのキャンベルこのみさんが、こんな話をしてくださった。
”牛をよく観察してみてください。牛が反芻している時の目は、外側を見ていません。じっと自分の内側を見つめ、静かに内省をしているんです。”
そしてシュタイナーは「農業講座」で、このように牛の角や蹄について語っている。
”蹄や鞘角が生える部位では、何が起きているのでしょうか。そこでは流れが非常に強力に内に向いています。また外的なものは、特に完全に遮断されています。[中略]
R.シュタイナー「農業講座」森章吾訳 p.57-58
鞘角には特別な本性があり、生命的なものやアストラル的なものを内的営みに反射放射させるのに適しています。”

バイオダイナミック農法で使われる9種類の調剤には、牛の角や糞を使うものがある。
そのうち「500番」と呼ばれる、牛角に牛ふんを詰めた調剤づくりを、今回の講座の中で体験した。

まずは牛ふんをバケツに拾い集めるところからはじまり、
それを板の上に全部開けて、その周りを数人でぐるぐると回りながら、
スコップでかき混ぜていく。
この作業を20分も続けると、牛ふんが滑らかに、きめ細やかな質感へと変化していった。
この牛フンを、木のへらを使って牛角の中に詰め、穴を掘って並べ、一冬の間地中に埋めておく。
シュタイナーによると、”大地が内的に最も活き活きとしている冬の期間中、鞘角を取り囲む大地内に存するエーテル活性化力の全てを引き寄せ”るのだという。(R.シュタイナー「農業講座」森章吾訳 p.59)



牛が神聖な動物とされているインドでは、バイオダイナミック農法の生産物は、多くの消費者から認識されているそうだ。
インドでのバイオダイナミックの普及に取り組んだピーター・プロクターは、著書「イラクサをつかめ」の中でこのように言及している。
”さて、インドの人々はウシと牛糞を大いに崇拝するので、牛糞を牛角に詰めて大地に埋めるという考えはインドの農業哲学の琴線に触れました。インドのことわざにも「繁栄の女神は牛糞に住みたもう」「ウシ一頭に4千万柱の神様」とあります。”
ピーター・プロクター「イラクサをつかめ」p.274 ホメオパシー出版

大人の牛たちには、もう、ただただその大きさに圧倒された。
牝のジャージー牛は、体重400-500Kgもあるそうだ。
もし人が押しつぶされたら、どうにかなってしまうだろう。
それでも怖さを感じなかったのは、牛たちの意識が内面へと旅をしているからかもしれないと思う。
「神聖」という言葉を思う時に浮かんだのは、澄んだ湖の、波紋ひとつないどこまでも静かな水面。それはのぞき込む者の内側をくっきりと映す。
どこでもない場所を見つめている牛たちの瞳も、わたしたちを映し返す鏡のように感じられた。

※2020年10月、コスミックライトセラピーオンラインサロン内のクラウドファンディングで支援していただき、北海道ソフィア・ファーム・コミュニティでの「秋のバイオダイナミック調剤講座」に参加してきました。 この記事のシリーズはその旅で学んだこと・感じたことをまとめたものです。貴重な経験をさせてくださったオーナーのMayumiさんとメンバーのみなさまに、心から感謝いたします。



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